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立命館中高は、創立100 年を機に次の100 年を睨んで、「新しい価値を創造し、未来に貢献できる人を育てる学校づくり」を目指し、キャンパス移転を決意しました。立命館小学校との接続を強化し4-4-4 制の系統的カリキュラムを中心に据えた一貫教育の更なる展開を図ること、通学圏を京都エリアから関西エリアに拡大するとともに、立命館大学(衣笠、BKC、大阪茨木)との連携の地理的優位性を活かし、総合学園にしかできない高大接続教育を展開することによって、立命館学園全体の大きな発展につなげます。 このような大きな歴史の節目、教育基盤の改革により、立命館中学校・高等学校は、日本の教育を先導する圧倒的な教育力を誇る学校に大きく飛躍します。 自立と貢献心、立命館アイデンティティを育てる学校へ 真の学問研究を通じて、豊かな人格形成を涵養します。「自立・貢献」を教育ミッションの中心に据えて総合的な学力・人間力を鍛える教育活動を展開します。 学習面においては、自立型学習スタイルを身につけること、正解のない問題に対して自分なりの答を導ける力を重視します。本を読むこと、社会につながること、研究すること(書くこと、発表すること)において、どの学校にも負けない取り組みをすすめ、生徒がこれらのことに誇りを持てる学校を目指します。 文化・芸術・スポーツの分野では、特に教科活動やクラブ活動において、学内外の競い合いや交流を積極的にすすめ、視野を広げ、高みを目指し、互いに磨き合うことのできる環境を整えます。 「自由と清新」の建学の精神を重視し、溌剌とした生徒たちの姿を発信し、地域の方々に愛される学校づくりに励みます。また、生徒会活動に見られる自主性や仲間を思いやる心を育てる取り組みを拡げていきます。 世界を舞台に活躍するグローバルリーダーを育てる学校へ 海外提携校を数多くもつ優位性を活かし、日本のトップクラスを誇る海外研修や国際交流プログラムを展開し、若い時代に世界に触れる楽しさを体験するなど、世界に開かれた学校づくりを目指します。語学力だけでなく、政治・文化・平和など、社会に求められる役割を見極め、将来の日本を背負って立つ使命感溢れるグローバルリーダーを育てます。 2014 年度高校2 年生からは、GL コースを新設し、高い語学力、国際的課題への高い関心を備え、世界を舞台に活躍したいという挑戦心の豊かな人を育てます。また、同時にCE コースを設けて、人文・社会科学分野での大学連携を強化し、国家試験等資格取得者や研究者を始め、社会をデザインする力、未来を設計する力を備えた人を育てます。 医療・科学技術を支える人を育て、多様な進路を実現する学校へ 生命を守り、安全で豊かな社会をつくるため、サイエンス分野の学習や研究活動を重視して取り組んでいきます。科学の目を養い、問題発見、仮説、検証のプロセスによって解決に導く力をすべてのコースで伸ばします。 また、世界が求める医療技術や生命を救うという高い志をもった人を輩出します。そのために、MS コースを充実し、医学系大学・難関国公立大学への進学実績を伸ばします。 SSH のコア拠点校として認められる全国トップレベルのプログラムにより、更なる課題研究、発表活動の力を伸ばします。そして、大学院進学者を増やすとともに、日本のものづくり、科学技術開発を担う研究者や技術者を育てます。そのために、SS コースの人数を拡大し、国際的な発表の機会をより多く設けます。 |
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まず第一に、「学びのコミュニティ」をテーマとしたアカデミックなキャンパスを設計します。深草キャンパスでは行えなかった小学校との連携、BKC 環境を統合し、長岡京一拠点でのサイエンス研究プログラムの充実を図ります。
校舎棟1 階の中央に、図書館、ICT、プレゼンシステムを一体化させたメディアセンターを設け、読書、メディア検索、創作活動、発表活動など、総合的な学習(ラーニングコモンズ構想)が展開できる環境を整備します。これにより、読書活動の活性化や課題研究の拡大を図ります。
大ホール(1100 人)、小ホール(350 人)、プレゼンテーションルーム、オープンスペースなどを活用し、国内外の中高生との研究発表やシンポジウムなどを展開し、多様な学びのコミュニティを実現します。学年、ステージ、コースなどのまとまりを考えて教室配置するとともに、異学年の活動が見える校舎構造と、活発な交流のできるオープンスペース機能を備えた空間を実現します。
自立型学習スタイルを追求し、目標設定や学習点検に取り組むとともに、自習室、個別指導コーナー、セミナー室など、学習者主体の諸施設を整備します。また、電子ボードなどの教育機器の整備や、ICTインフラを整備し、授業や課外活動などにおける、新たな教育方法の開発にも積極的に取り組みます。更には、充実した実験、観察、研究活動が可能な理科実験室等10 教室を校舎棟の1 ユニットに機能的に集中させて、サイエンス棟として整備します。
第二に、元気な挨拶の声が響き、健やかな成長を促すゆとりあるキャンパスを設計します。
自主性を育て、豊かな人間関係を形成するため、学校行事を始めとするスポーツ、文化、芸術活動を重視し、心の豊かさを追求できる環境を整え、また生徒が誇りや達成感をもつことで、学習者としての器を大きく広げます。広い日本文化室やランチルーム、屋外の憩いのスペースなど、落ち着いたキャンパスライフを支援します。
体育授業やクラブ活動の充実を図るため、グランドや体育館の施設をこれまで以上に使やすいものに整備します。スポーツ・文化・芸術活動において全国レベルの大会への出場を目指し、学校の元気を社会に示していきます。
生徒の主体性を大切にする学校として、生徒会や文化祭実行委員会、修学旅行実行委員会、学年協議会等の活動を活性化する仕組みや活動場所を整備します。また、ホールやプレゼンルーム、オープンスペースなど発表活動のスペースを確保し、生徒作品が日常的に展示鑑賞できるギャラリーを設け、生徒の活躍が全体の目に触れる機会を増やし、更なる活躍を応援します。同時に、クラブ活動や研究活動、ボランティア活動等の成果や、校史展示や国際交流における記念展示など、学内広報を充実させ、立命館アイデンティティを育成します。
また、宿泊研修や学習合宿、リーダー合宿など、学びのモチベーションや自主自立につながるプログラムをすすめるため、体験学習棟(宿泊施設)を設けます。これまでの取り組みに加えて、留学生や海外研修生との交流イベント、クラブの合宿等にも活用したいと考えています。また、立命館小学校とのブリッジキャンプでの成果を踏まえ、宿泊体験を通して、自立心の涵養、中学校への目標発見などにつなぎ、小中のつながりを強化していきたいと考えています。
第三に、外に向かって新しいことにチャレンジしたくなるキャンパスを設計します。
内向き姿勢に陥ることなく、学校全体が世界標準での視野をもち、学外とのつながりを意識して教育活動をすすめたいと考えています。10校の海外提携校を持ち、毎年海外から30 校以上の高校生を迎える国際ネットワークを擁する優位性を活用し、国際社会への高い意識や世界観を育てていきます。また、日本文化に学び、体験修得の中でその価値を理解し、それを発信できる素養を身につけます。日本文化室(和室)は、そのような学びの場と して、また海外・国内からの来客用の交流スペースとして活用し、同時にホスピタリティをも育成します。
Rits Super Science Fair(RSSF)や地域を巻き込んだプレゼンテーション企画を始めとし、国内外の中学生、高校生との交流イベントを、長岡京キャンパスを拠点にして展開します。ホールやプレゼンテーションルームなど、発表や交流の施設を整備することに加え、学校全体を国際的な雰囲気を感じさせるキャンパスにデザインします。
校外コンテストやコンクール、科学オリンピック等へのチャレンジを奨励し、自分の力を試していく前向きな姿勢を育てます。クラブ活動では、交流試合などを通して向上心を養うとともに、活躍する仲間を応援することで立命館中高の一員であることの誇りを育てます。
これまで、全国大学附属併設中高教育研究大会の2 度の開催、教科実践をテーマとしたシンポジウムの開催など、立命館の教育について学外の評価を受けることで、教育の質向上を目指してきました。長岡京キャンパスでは、教育のオープン化をキーワードに、このような教育研究集会などの取り組みを展開するとともに、サイエンス教育、国際教育、高大連携教育の開発拠点校としての役割を担っていきたいと考えています。
また、これまで深草キャンパスで行ってきた、地域清掃、吹奏楽部コンサート、天体観望会など、地域に向けた文化交流活動やボランティア活動などにより、地域に愛される学校づくりを目指します。
第四に、安全安心なキャンパス、および、日本一のエコキャンパスを設計します。
通学経路としては、主にJR 長岡京駅と阪急新駅(西山天王山駅)からの登校が多数を占めると思われます。JR 長岡京駅からは徒歩約15 分、阪急新駅からは徒歩約6 分となります。閑静な住宅街を通りますので、これまでと同様、広がらず騒がない登下校マナーを指導しながらも、通学路の混雑を回避するための工夫や、交通整理員の配置を行う予定です。京阪沿線からの路線バスの運行について、行政や地域の方と協力しながら、その運行に向けて要請しているところです。
JR 線に隣接する校舎であることから、電車からの防音、耐震対策を講じます。合わせて、防災対策、広域避難所としての役割を担える整備を行います。
また、思春期における悩みを持つ生徒に対する支援、ケアの観点から、保健室および学習支援室を整備し、安心安全な学校づくりを目指します。
ランチルームは、食の安全、食育の観点から学校と業者が協力して運営する予定です。また、放課後の営業外の時間帯では、自習や談話スペース、プレゼンスペースとして活用できるようにしたいと考えています。
また、太陽光発電、太陽熱・地中熱利用空調、コージェネレーションシステム、光ダクト等の導入、井水・雨水利用や屋上の緑地化、また生徒の日常的なエコ意識の喚起などを通じて、ハード面・ソフト面ともに日本一のエコキャンパスを設計し、科学的な視点をもって環境問題に取り組むことのできる学びのキャンパスを実現します。
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(1) キャンパス全体
校舎全体の延床面積は、これまでの27250 ㎡から38927㎡へと、約1.4 倍の広さに拡大されます。グランドや体育館などの運動施設を可能な限り大きく確保し、心と体を鍛えるのに相応しい施設を整備します。
教室ユニットを南北に3 つずつ、計6 ユニットを配置し、学年のまとまり、コースのまとまりなどをうまく配置できる構造になっています。小中学生のHR 教室と教員室を北棟に配置し、南棟に高校生のHR 教室を配置することを考えています。メディアセンター、ホール、吹き抜けのオープンスペース、ランチルームなどの共通に利用する施設を建物の中心付近に配置し、各階のフロアをこれにつなぐことによって、学校全体のアカデミックな一体感を演出します。
(2) 校舎棟の主な施設
< 5 階> | MS HR教室、MS 教員室、自習室、面談室、日本文化室など |
< 4 階> | 小学5,6 年生HR 教室、中学1 年生HR 教室、高校3 年生HR 教室、小56 中1 教員室、多目的教室、特別教室、面談室、クラブBOX、書道室(2)、生物実験室、中学理科実験室、理科演示室、課題研究室、ホール調整室など |
< 3 階> | 中学2 年生HR 教室、高校2 年HR 教室、中2 教員室、面談室、特別教室(2)、セミナー室(5)、社会科教室、教科研究室、大会議室、PTA室、中学生徒会室、高校生徒会室、クラブBOX、多目的教室、中学理科実験室、理科演示室、物理実験室、地学実験室など |
< 2 階> | 小ホール、大ホール、中学3 年生HR 教室、高校1 年生HR 教室、特別教室、大教員室、校長室、面談室、進路資料室、印刷室、音楽教室(2)、レッスン室、化学実験室、中学理科実験室など |
< 1 階> | エントランス、事務室、メディアセンター、自習室、プレゼンテーションルーム、フォーラム(オープンスペース)、学園展示コーナー、清和会記念室、ランチルーム、技術教室、家庭科室(調理/被服)、美術教室(2)、情報教室(4)、LL教室、スタジオ、保健室、学習支援室など |
<地階> | 貯水槽、ポンプ室、倉庫など |
(3) グランドおよびエクステリア
第1 グランド(陸上、サッカー、ラグビーなど) 第2 グランド(野球など) 第3 グランド(ホッケーなど) コートヤード(3)、駐車場、駐輪場、クラブBOX、地域提供公園、正門、南門など |
(4) 体育館棟の主な施設
<屋上> | テニスコート、クラブBOXなど |
< 5 階> | トレーニングルーム、クラブBOX、(アリーナ吹き抜け)など |
< 4 階> | 多目的教室(2)、ランニングコース、クラブBOX、(アリーナ吹き抜け)など |
< 3 階> | 体育準備室、クラブBOX、(アリーナ吹き抜け)など |
< 2 階> | 第1 アリーナ(バスケット、バレー)、ミーティングルーム、更衣室、器具庫など |
< 1 階> | 格技場(剣道、空手、柔道、フェンシング)、第2 アリーナ(ダンス、卓球)、更衣室、器具庫、エントランスなど |
<地階> | 25mプール、第3 アリーナ(雨天練習場)、更衣室、器具庫、機械室など |
(5) 体験学習棟(宿泊棟)の主な施設
<屋上> | 天文台、観測スペースなど |
< 3 階> | 研修室(6)、教員室、ラウンジなど |
< 2 階> | 研修室(6)、教員室、ラウンジなど |
< 1 階> | 守衛室、倉庫、ピロティー、自転車置き場など |
移転予定地:京都府長岡京市調子一丁目25番1 号
JR長岡京駅より徒歩約15 分
阪急新駅より徒歩約6 分
移転時期:2014年9月移転、開校予定